2020年3月期にも日本のメガバンク2社を比較しました。
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参考【資産運用】「決算書の読み方」から銘柄比較!三菱UFJ VS 三井住友FG!
「"ギモン”から逆引き!決算書の読み方」(著・南 伸一)という本があります。 リンク イラスト付きで、実例を示しながら説明してくれているのでかなり読みやすく、理解もしやすい ...
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久しぶりに最新の決算報告書を読み解いてみたいと思います。
参考にするのは「"ギモン”から逆引き!決算書の読み方」(著・南 伸一)という本です。
イラスト付きで、実例を示しながら説明してくれているのでかなり読みやすく、理解もしやすいです。
さて、株を買うならどっちが良いでしょうか。
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8項目で比較!
1.経常利益が高いのは?
三菱UFJフィナンシャル・グループ
経常利益
「営業利益」に「営業外収益」を加え、「営業外費用」を差し引くことで算出できます。
資金調達力や資金運用力も加味した利益です。
損益計算書に書かれているはずなので、わざわざ計算する必要はないです。
- 三菱:1,537,649 百万円
- 三井住友:1,040,621 百万円
三菱UFJに軍配が上がります。
2.売上高経常利益率が高いのは?
引き分け
売上高経常利益率
「経常利益」を「売上高」で割って算出します。
会社力、組織力の高さを計ることができます。
銀行の場合、「売上高」という項目が損益計算書に書かれていないので、「売上高」=「経常収益」で計算しました。
- 三菱:1,537,649÷6,075,887=25.3%
- 三井住友:1,040,621÷4,111,127=25.3%
両社ほぼ同じです。
3.売上高営業利益率が高いのは?
三井住友フィナンシャルグループ
売上高営業利益率
「営業利益」を「売上高」で割って算出します。
収益性の良し悪し、効率よく稼げているかどうかが分かります。
銀行の場合、「営業利益」という項目も損益計算書に書かれていないので、
営業利益 =(資金運用収益 + 役務取引等収益 + その他業務収益)- 営業経費 - 貸倒引当金繰入額
で計算します。
- 三菱:1,755,292÷6,075,887=28.9%
- 三井住友:1,691,627÷4,111,127=41.1%
こちらは三井住友FGの方が優秀です。
4.投下資本に対してより儲かっているのは?
引き分け
ROA(総資本利益率)
「経常利益」を「総資本」で割って計算します。
- 三菱:1,537,649÷373,731,910=0.41%
- 三井住友:1,040,621÷257,704,625=0.40%
ほぼ変わりません。
数値が極端に低いのは、預金という負債を大量に抱えているため仕方がないことです。
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5.借金の負担が少ないのは?
引き分け
自己資本比率
「自己資本」を「総資本」で割った自己資本比率で比較します。
高ければ、借金は少なく安全な企業と言えます。
- 三菱:17,988,245÷373,731,910=4.6%
- 三井住友:12,197,331÷257,704,625=4.7%
これもROAと同様に両社ほぼ同じで、低い水準となっています。
理由も同じです。
ただし、銀行の場合は、自己資本比率に下記のような条件があるそうです。
海外業務も行う銀行:8%以上必要
6.設備を有効に活用しているのは?
引き分け
総資本回転率
「売上高」を「総資本」で割った総資本回転率で比較します。
会社の資源を有効に活用できているかどうかを判断します。
- 三菱:6,075,887÷373,731,910=0.016 回転
- 三井住友:4,111,127÷257,704,625=0.016 回転
両社変わりません。そして、他の業種に比べ、とても低いです。
7.キャッシュが増えているのは?
三菱UFJフィナンシャル・グループ
現金及び現金同等物の増減額
キャッシュフロー計算書の中に書かれている項目です。
- 三菱:7,785,634 百万円
- 三井住友:-979,140 百万円
三菱UFJの圧勝です。
利益をきちんとキャッシュの増加につなげることができています。
8.積極的に投資をしているのは?
引き分け
固定資産の取得による支出
まずは、キャッシュフロー計算書の「投資キャッシュフロー」の中にある「固定資産の取得による支出(有形+無形)」という項目を確認します。
- 三菱:384,003 百万円
- 三井住友:288,188 百万円
これだけでは三菱UFJの方が投資に積極的なように見えます。
有形固定資産
もうひとつの比較方法として、貸借対照表の「有形固定資産」も確認してみます。
- 三菱:1,236,012 百万円
- 三井住友:1,457,254 百万円
有形固定資産は三井住友FGの方が大きいです。
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比較結果!
三菱UFJ:2勝1敗5引き分け
三井住友FG:1勝2敗5引き分け
となりました。
2年前は2勝2敗4引き分けで完全に引き分けでしたが、2022年3月期は三菱UFJが優勢となりました。
僕は両社とも保有していますが、三菱UFJの方が株価が低いので買いやすくて好きです。