資産運用

【資産運用】「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」(著:cis)の紹介と感想

2020年7月現在、Twitterで43.5万フォロワーという驚異的な支持を得ている個人投資家cisさんが書いた本があります。

 

 

新型コロナによって外出自粛を余儀なくされているこんな時期こそ勉強してみようと思い、読んでみました。

印象に残ったところと、全体を読んでの感想を書きます。

 

cis(しす)とは・・・

まず、cisさんを簡単に紹介しておきます。

cisさんは、1979年3月生まれの個人投資家です。

2000年夏、当時大学4年生だったcisさんは、300万円で株式投資をスタート。

2002年にデイトレを始め、2004年6月に資産を6000万円まで増やし、働いていた親族が経営する企業を退職。

以降、専業トレーダーとしてどんどん資産を増やし、2020年現在の資産は230億円。

「一人の力で日経平均を動かせる男」と言われている。

 

印象に残ったところ

個人的に印象に残ったところをまとめていきます。

 

cisさんの投資スタイル

1.順張り

株価が上がり続けるうちは持ち続け、2度目の押し目あたりで売ることが多い。

逆張りをしない。

 

2.押し目買いはしない

下がったところで買おうとするのは逆張りの考え方と同じ。

「押し目待ちに押し目なし」という格言があるように、上がっている株に対しては買い時を逃してしまうケースの方が多い。

「遅すぎたかも?」とは思わずに上がっている株は買うべき。

 

3.目先の利益にこだわらない

下がったら塩漬け、上がればすぐに利確してしまうのは本能に沿った行動だが、トータルの損益を考えると、その行動は敗北に近づく。

上がっている株なのに、今日の勝利を確定することで、明日や明後日の勝利を捨ててしまっている。

上がるときはしばらく待ち、損しそうであればすぐに売る。

 

4.ナンピンは最悪

ナンピンも下がったところで買うという意味では逆張りと同じ。

上がると思ったはずが下がったのであれば、敗北を認めて早期損切りをすべき。

損切の数値的なラインは決めていないが、動きを見て1時間後には今より下がっているのではないかと思うとすぐに損切りする。

損切りした株が上がりだしたら....

下がったら売り、上がったら買うという考えなので、何も気にせず買っている。

ただし、3回以上失敗したら「この銘柄は読めない」と判断して撤退する。

 

5.長期トレードはしない

明日の株価も分からないのに、半年後、1年後、10年後の株価予測などできるわけないから長期トレードはしない。

また、配当狙いや優待狙いの投資も儲からないのでやらない。

 

株式投資において大切なこと

仮説を立てること

実際にあった一例

  1. 2018年1月下旬、安川電機が好決算だったにも関わらず株価は下落。
  2. オムロン、ルネサス、ファナックなど同じFA関連銘柄も同じことが起こるのではないか?
  3. FA関連銘柄をすべて利確。
  4. 安川電機やファナックは日経平均へ直接影響するし、直近の日経平均がFA関連銘柄のおかげで好調であったから、今後全体に影響するはず。
  5. 日経平均先物を空売り。

これにより含み益が一時19億円まで膨らんだ。(最終利確は12億)

このように、「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」といった仮説をいつも考えている。

それは「円安になったら輸出産業は利益が上がって株価も上がるはず」といった常識みたいなものではなく、まだほとんどの人が考えていないもので、明確なロジックがあるものでなければならない。

 

3匹目のドジョウ?

勝てるロジックを見つける(=1匹目のドジョウ)のはとても難しいがとてもおいしい。

同様の事例が2回目起こる(=2匹目のドジョウ)チャンスはそれなりにあり、それなりに儲けることができる。

だからこそ、過去の事例を学ぶことは大事なことと言える。

しかし、雑誌や新聞に取り上げられたときというのは、3匹目、いや4匹目かもしれない。

その3匹目のドジョウでおいしい思いをできる可能性は極めて低い。

 

主観で考えてはいけない

銘柄選びの判断として「割安だから」と言って買う人がいるが、その割安だという判断は個人の主観でしかない。

結局のところ、株価は割安かどうかというのも踏まえた上で決まっている。

株価は世の中の総意として適切な数値だと考えるべき。

特に大型銘柄になるほど、多くの人に十分に研究されているため、「割安」のまま見過ごされることはあり得ないと考えられる。

 

効率を重視する

投資に回せる資金が多いほど大きく勝つことができる。

投資に回すお金を増やすには、高い時計、車、ブランド、服など興味がないものにはお金を使わない。

 

ギャンブルではなく投資

パチンコや競馬もいろいろと研究して一生懸命やってみた。

パチンコは音がうるさくて空気が悪い。その上儲けられる上限も知れている。

競馬は大きく張れば大きなリターンが期待できるが、JRAの払戻率が75%程度なので、どうしても回収率が良くならない。

よって、大きな金額を入れれば個人でも機関に対抗でき、大きなリターンが得られる投資の道へ進むことにした。

 

なるべく早く行動

ジェイコム株誤発注事件のとき、誤発注が起こっていることをグループチャットに書き込んだ。

すぐに同じように買った人もいれば、びびって買わなかった人もいる。

そのときに買わなかった人は、今投資の世界であまり生き残っていない。

早い人はいつでも早く、遅い人はいつでも遅い。

投資家としては、早い人のほうが適性がある。

 

初心者へ向けたオススメ投資法

  • IPO銘柄を買ってデイトレ
  • 不況時に赤字転落した会社
  • 上場廃止になってしまいそうな会社

いずれも50~100万円程度から始められる投資方法。

そして、cisさんの投資スタイルである順張りとは逆のやり方。

 

感想

まず、僕はサラリーマンをしながら高配当株投資をしている、いわゆる兼業投資家であり、また「何億円、何十億円稼ぎたい!」という気持ちが強くないので、投資法や心の持ち方などは、あくまで参考にしたいといった程度で、「真似したい!」と思うような内容ではありませんでした。

しかしながら、「これからトレーダーになって稼いでいこう!」と思っている人や、全くの投資初心者でどんな投資法があるのか考えている方にとっては、とても有益な情報が詰まっていると思いますし、cisさんの情報収集力、そしてそれを基にして想像、判断、行動するスピード、リスクを恐れないメンタル、そういったところは、投資以外でも必要とされる能力ではないかと思うので、僕も身に付けていきたいと思いました。

僕が、高配当株投資に行きついた理由は、この本に書かれているように「明日の株価がどうなるか分からない」からこそ、できるだけ安定した入金が期待できる配当金を得る方が精神的に気がラクだからです。

cisさんがやらないという逆張り・ナンピンは当たり前のようにやっていますし、今後も変わらずやっていきます。

自分がどういう生き方をしたいかによって、この本の活かし方が大きく変わると思います。

しっかりと自分を見つめ直して日々成長していけるといいですね。

 

 

 

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