桜井さんは、ミスチルのほぼ全ての楽曲の作詞・作曲をしています。
ミスチルファンの方の多くは、桜井さんの書く歌詞に救われた経験をお持ちだと思いますが、その中でも花というワードが曲の中で印象的に使われている気がするので、まとめてみました。
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1.花 -Memento-Mori-
花といえばこの曲です。
桜井さん自身、ミスチルの中でトップクラスに好きな曲と語っていたこともあります。
負けないように
枯れないように
笑って咲く花になろう
桜井さんは、この曲を書いた当時「人間を辞めたい」と思うほどに病んでおり、やっとのこと出せる前向きな言葉がこの歌詞だったとのことです。
花が咲くこと、咲かせることをすごく前向きなこととして表現しています。
心の中に
永遠なる花を咲かそう
桜井さんが自分自身に言い聞かせるような歌詞でも、聴く人を励ますように聞こえるのがミスチルのすごさの1つだと思っています。
発売されたのは1996年ですが、2018~2019年の重力と呼吸ツアーで歌っても全く色あせることなく、当時とは違った良さを感じることができます。
2.ALIVE
この曲も桜井さん自身、名曲と語っていました。
意味はなくとも
歩みは遅くとも
残されたわずかな時を
やがて荒野に
花は咲くだろう
あらゆる国境線を越えて
曲の始まりは暗い曲調にネガティブな言葉が乗せられていますが、1番サビ手前の「さぁ行こう」をきっかけに少しずつ前向きになっていきます。
この曲でも花の使われ方は「花 -Memento-Mori-」と同じです。
曲が終わりに近づくにつれ演奏も盛り上がり、ポジティブになっている様子を表現しているように聞こえます。
夢はなくとも
希望はなくとも
目の前の遥かな道を
やがて荒野に
花は咲くだろう
あらゆる国境線を越え
最後は、夢や希望はなくても、とにかく前へ進もうという強い気持ちで締めくくられています。
桜井さんが脳梗塞で倒れてからの復活ライブ「wonederful world on DEC」で歌った際には、アウトロで「花を咲かそう」を繰り返していますし、桜井さん自身歌っていて泣けてきたと語っていました。
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3.花の匂い
桜井さんのお父様が亡くなったタイミングで書いた曲とのことで、人の死を深く感じさせる曲です。
花の匂いに導かれて
淡い木漏れ日に手を伸ばしたら
その温もりに
あなたが手を繋いでいてくれている
ような気がした
1番のサビで突然現れる花ですが、これは2番の後のCメロで出てくる「幸せの種」が育ったものと重なるので、幸せの象徴という位置付けになっているように思います。
解釈としては、悲劇(「永遠のさよなら」「本当のさよなら」)が起こったとしても、その花の匂いによっていつでもその人が居たことを思い出すことができるし、そこに居るような気になる、という感じで、きっと多くの人を救える力を持つ曲です。
ツアーでの演奏はほとんどないのですが、震災から丸10年、2021年3月11日に放送された「音楽の日」で歌っていたのは印象的でしたし、この曲がピッタリで感動しました。
4.空風の帰り道
名曲「HERO」のカップリング曲ですが、隠れ名曲としてファンの間では人気の曲です。
からっ風が吹いたから
少し手を繋いで歩こうよ
花や草木に習い僕ら
軽く揺れながら
1番に出てくる花や草木は、歌詞に出てくる「僕ら」が仲良く歩く様子をイメージしやすくしています。
すごく自然で柔らかい雰囲気を感じ取ることができます。
悔やんでも嘆いてても
時間は過ぎてしまうから
花や草木に習い僕ら
黙って手を振ろう
2番に出てくる花や草木からは、強い雨風にも負けず黙って揺れる力強さが感じられ、すべてを受け入れて前に進もうという気持ちになります。
からっ風が吹いたから
ポケットに手を入れて歩くよ
花や草木に習い僕は
向かい風を受けて
最後は揺れる花や草木によって、からっ風が吹く冬の季節感を表現するのに合わせて、僕ひとり向かい風に負けないぞ、という力強さも出ています。
この曲の中で使われている花という言葉は、場面ごとに色々な情景や心情を聞き手に伝える重要な役割を担っているように思います。
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5.雨のち晴れ
元々、ドラムのJENさんが歌う予定で、JENさんがサラリーマンだったらということを想像しながら書いたそうです。
上司に愚痴言われるうちが
「花」だっていうから
いっそ可憐に咲き誇って
みようかと思うよ
本来であれば「華」と書くところを「花」と書き、そのまま「可憐に咲き誇る」とうまいことを言ってしまうこのセンス、JENさんのイメージぴったりです。
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6.花言葉
シフクノオトに収録の切ないラブソングです。
君のすべて
僕に見せてほしかったのに
コスモスの花言葉は
咲かなかった
コスモスの花言葉は「乙女の純情」だそうです。
単純に植物としての花を歌詞に入れ込むだけでなく、なかなか日常では聞かない花言葉によって物語を展開しています。
7.youthful days
最後は、爽やかなメロディーでライブでいつも盛り上がるこの曲です。
「サボテンが赤い花をつけたよ」
と言って
「急いでおいで」って
僕に催促をする
何回も繰り返し
僕ら乾杯をしたんだ
だけど朝になって
花はしおれてしまって
君の指 花びらを
撫でてたろう
僕は思う その仕草
セクシーだと
サボテンの花を中心に話が展開されていきます。
一見シンプルな男女の日常を描いたエピソードのように見えますが、「花びらを撫でてた」「その仕草セクシー」といった表現から、どこか性的な要素が感じられます。
そう思って戻って見返すと、「繰り返し乾杯」「花はしおれてしまって」という表現も性的なことを想像させられます。
ちなみに、サボテンの花言葉は「枯れない愛」「燃える心」「偉大」「あたたかい心」だそうです。(歌詞の解釈に関係あるかどうかは分かりません。)
表通りには
花もないくせに
トゲが多いから
油断していると刺さるや
ここの歌詞は、彼女との関係のことか、今の社会のことか、はたまた別の何かを意味しているのか、この曲の中でも少し特異な部分です。
「刺さるや」ってなんかかわいいですよね。
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まとめ
ミスチルの歌詞に出てくる花は色々な使われ方があります。
- 前向きに進んでいこうとする意志
- 情景の描写
- 花言葉
- エロティック
そもそも桜井さん自身、苗字に花が入っているので花の歌詞を書くと似合いますよね。
今後もミスチルの花に注目です。
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