致知8月号のテーマは「鈴木大拙に学ぶ人間学」です。
<特集>を読んだ感想を書きます。
鈴木大拙って誰?
まず思ったのはこれでした。
調べてみると1870年生まれの仏教哲学者だそうです。
名前的にゴリゴリのジャパニーズかと思ったのですが、アメリカやヨーロッパの各地で仏教思想や日本文化の講義を行ったという、英語がとても得意でかなりグローバルな方でした。
仏教の中でも特に禅の思想が詳しかったそうです。
長い階段
鈴木大拙が晩年に住んでいたのは鎌倉の松ヶ丘文庫というところだそうです。
そこには130段の階段があり、90歳にもなる大拙は外出するたびに当然その階段を上っていました。
ある人がこう問いました。
先生、90にもなって130段の階段を上るのは大変でしょう。
それに対して大拙が返した言葉が秀逸であり、心に留めておきたい言葉です。
ポイント
一歩一歩上がれば何でもないぞ。
一歩一歩努力すれば、いつの間にか高いところでも上がっている。
勉強、仕事、スポーツ、音楽、貯金、、、何にでも通ずる重みのある言葉です。
そして、この階段というのは一直線の急な石段ではなく、緩やかな勾配の山道で、歩幅もゆとりがあり木々も豊か、工夫の凝らされた石段だったそうです。
これが示しているのは、人生は厳しいことや辛いことばかり(=一直線の急な石段)ではなく、楽しいことや嬉しいことをしっかりと感じながら(=工夫が凝らされた石段)前に進んでいくということではないかと想像できます。
ただし前提として、「努力すれば」です。
何もせずに人生ハッピーなことばかりあるとは僕も思いません。
今辛い環境に囲まれて暮らしていて一歩も歩けないのであれば、努力が足りないのでしょう。
楽しく生きていける道を探したり、環境を変えていく努力をする必要があると思います。
まずは自分がどんな人生なら幸せなのかを考えてみて、それを実現するために積極的に行動することで、いつかたどり着けると信じています。
スポンサーリンク
大拙が追及したテーマ
「鈴木大拙全集」全40巻の中から1つの言葉が紹介されていました。
自由だ、創造的だ、随処に主となるのだというだけでは、何にもならぬ。
人間には、他の生物と違って大悲というものがなくてはならぬ。
(「新編 東洋的な見方」より)
調べてみると、仏教用語みたいです。
メモ
大悲:衆生(しゅじょう)の苦を救う、仏・菩薩(ぼさつ)の大きな慈悲。
⇒他者の苦しみを救いたいと願う心。
なるほど、、、「自分自分ではなく人の幸せを考えましょう。」という意味を持った言葉ですかね。
これまでにも何度も出てきた「利他主義」という言葉に近いでしょうか。
正直なところ、僕はこの考え方があまり好きではありません。
自分の人生がどうあれば幸せなのかを考えたとき、「お客様の喜ぶ顔が見たい!」「上司や社長に褒められたい!」「会社の利益に貢献したい!」こんなことを本気で思っている人は、何かしら洗脳されているのではないかと思ってしまいます。
僕は、会社にいる時間などできるだけ少なくして、一緒にいたい人とできるだけ長い時間を過ごしたいし、好きな時に好きな人と好きなところに遊びに行きたいです。(いわゆる「自由」が欲しいのかもしれません。)
会社にいる時間を減らすと給料は少なくなりますが、それでも全然良くて、給料が減った分は他の方法で稼げばいいし、無駄な支出を減らすことだってできますし、資産運用でお金を増やすこともできます。
毎日毎日早起きして会社に行って残業して帰るのが当たり前、みんなやっているんだから、と盲目的に考えて、無理矢理にでも仕事の中でやりがいや楽しみを見つけようとするのはすごくイヤです。
しかし、自分の思う幸せな人生というものを手にしたとき、もしかすると他人も幸せにしてあげたいという気持ちが芽生えてくるのかもしれません。
そういう意味では、鈴木大拙であったり、利他主義を唱えているような人というのは、一歩一歩努力して上った先のとても高いところへたどり着いていて、すごく充実した人生を送っている人たちなのかもしれないですし、僕もいつかその領域にたどり着けるように努力を継続したいです。
-
-
【致知】人間学を学ぶ月刊誌「致知」について
当ブログでは、致知出版社の月刊誌「致知」という雑誌を読んだ感想を月に一度書いています。 参考 今さらになりますが、この「致知」がどういった雑誌なのか?世の中でどう活用されているのか?なぜ僕が読んでいる ...
続きを見る
関連記事
致知
2024/6/4
【致知】2024年7月号「師資相承」を読んだ感想
致知2024年7月号の特集・テーマは「師資相承」です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 師資相承とは 師から弟子へと道を次代に伝えていくこと 特集には、人格を形成するには師匠運(どういう師匠に出会うか)が重要だと書かれています。 スポンサーリンク 感想 学生時代には学校の先生や塾の先生、社会人になってからは先輩や上司、育ってきた色々な場で師匠と呼べるような人に出会いました。 価値観は大きく影響を受け、それによって人格も形成されてきたと思います。 てことは僕の人格が悪いと言われたら、それはきっと師匠たち ...
ReadMore
致知
2025/4/4
【致知】2025年5月号「磨すれども磷がず」を読んだ感想
致知2025年5月号の特集テーマは「磨すれども磷(うすろ)がず」です。 それでは感想を書きます。 スポンサーリンク 磨すれども磷がず テーマとなっているこの言葉は、 本当に堅いものはいくら磨いても薄くはならない。 という意味だそうです。 人の信念や心を、石のような硬いものに例えたことわざです。 特集では、イエローハットの創始者・鍵山秀三郎氏が、創業時に強い信念を持って毎朝掃除をしていたというエピソードが取り上げられています。 リンク スポンサーリンク 鍵山氏の名言 いくつか紹介されている鍵山 ...
ReadMore
致知
2022/2/6
【致知】2022年3月号「渋沢栄一に学ぶ人間学」を読んだ感想
致知2022年3月号のテーマは「渋沢栄一に学ぶ人間学」です。 新一万円札に描かれることになっている渋沢栄一の功績、そしてその人間性からはたくさんの学ぶことがあるという内容です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 3つの魔 渋沢栄一は3つの魔を持っていたとのことです。 吸収魔:よく勉強し吸収をやまない人 建白魔:よく立案、企画、建白する人 結合魔:人と人とを結びつけてやまない人 魔というのは、それだけ打ち込んだということだそうです。 スポンサーリンク 感想 3つの魔のうちの上2つは、いかにも仕事ができる人 ...
ReadMore
致知
2025/5/7
【致知】2025年6月号「読書立国」を読んだ感想
致知2025年6月号のテーマは「読書立国」です。 特集を読んだ感想を書きます。 スポンサーリンク 読書立国 読書立国とは、読書によって国を立派にすることを意味しています。 近年、日本では読書人口が減少傾向にあり、日本の将来が危ぶまれています。 スポンサーリンク 感想 僕はもともと本をほとんど読まないですし、今読んでみたい本もないので、「読書立国」を目指そうと言われてもちょっと困ってしまいます。 特集に書かれているように、スマートフォンを誰もが持つようになり、学びたいこと・知りたいことはインターネットやYo ...
ReadMore
致知
2022/1/6
【致知】2022年2月号「百万の典経 日下の燈」を読んだ感想
致知2022年2月号のテーマは「百万の典経 日下の燈」です。 スポンサーリンク 百万の典経 日下の燈とは 「百万の典経 日下の燈」 百万本のお経を読んでも、行動しなければ意味がない。 明治時代の禅僧である今北洪川という人の言葉で、この人物について調べてみると、以前致知にも取り上げられたことのある鈴木大拙の師匠のようです。 鈴木大拙は相当行動力のある方だったので、これはきっと師匠譲りのものでしょう。 スポンサーリンク 印象に残ったところ 印象に残ったところは、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教 ...
ReadMore
致知
2024/6/4
【致知】2024年7月号「師資相承」を読んだ感想
致知2024年7月号の特集・テーマは「師資相承」です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 師資相承とは 師から弟子へと道を次代に伝えていくこと 特集には、人格を形成するには師匠運(どういう師匠に出会うか)が重要だと書かれています。 スポンサーリンク 感想 学生時代には学校の先生や塾の先生、社会人になってからは先輩や上司、育ってきた色々な場で師匠と呼べるような人に出会いました。 価値観は大きく影響を受け、それによって人格も形成されてきたと思います。 てことは僕の人格が悪いと言われたら、それはきっと師匠たち ...
ReadMore
致知
2025/4/4
【致知】2025年5月号「磨すれども磷がず」を読んだ感想
致知2025年5月号の特集テーマは「磨すれども磷(うすろ)がず」です。 それでは感想を書きます。 スポンサーリンク 磨すれども磷がず テーマとなっているこの言葉は、 本当に堅いものはいくら磨いても薄くはならない。 という意味だそうです。 人の信念や心を、石のような硬いものに例えたことわざです。 特集では、イエローハットの創始者・鍵山秀三郎氏が、創業時に強い信念を持って毎朝掃除をしていたというエピソードが取り上げられています。 リンク スポンサーリンク 鍵山氏の名言 いくつか紹介されている鍵山 ...
ReadMore
致知
2022/2/6
【致知】2022年3月号「渋沢栄一に学ぶ人間学」を読んだ感想
致知2022年3月号のテーマは「渋沢栄一に学ぶ人間学」です。 新一万円札に描かれることになっている渋沢栄一の功績、そしてその人間性からはたくさんの学ぶことがあるという内容です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 3つの魔 渋沢栄一は3つの魔を持っていたとのことです。 吸収魔:よく勉強し吸収をやまない人 建白魔:よく立案、企画、建白する人 結合魔:人と人とを結びつけてやまない人 魔というのは、それだけ打ち込んだということだそうです。 スポンサーリンク 感想 3つの魔のうちの上2つは、いかにも仕事ができる人 ...
ReadMore
致知
2025/5/7
【致知】2025年6月号「読書立国」を読んだ感想
致知2025年6月号のテーマは「読書立国」です。 特集を読んだ感想を書きます。 スポンサーリンク 読書立国 読書立国とは、読書によって国を立派にすることを意味しています。 近年、日本では読書人口が減少傾向にあり、日本の将来が危ぶまれています。 スポンサーリンク 感想 僕はもともと本をほとんど読まないですし、今読んでみたい本もないので、「読書立国」を目指そうと言われてもちょっと困ってしまいます。 特集に書かれているように、スマートフォンを誰もが持つようになり、学びたいこと・知りたいことはインターネットやYo ...
ReadMore
致知
2022/1/6
【致知】2022年2月号「百万の典経 日下の燈」を読んだ感想
致知2022年2月号のテーマは「百万の典経 日下の燈」です。 スポンサーリンク 百万の典経 日下の燈とは 「百万の典経 日下の燈」 百万本のお経を読んでも、行動しなければ意味がない。 明治時代の禅僧である今北洪川という人の言葉で、この人物について調べてみると、以前致知にも取り上げられたことのある鈴木大拙の師匠のようです。 鈴木大拙は相当行動力のある方だったので、これはきっと師匠譲りのものでしょう。 スポンサーリンク 印象に残ったところ 印象に残ったところは、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教 ...
ReadMore
致知
2024/6/4
【致知】2024年7月号「師資相承」を読んだ感想
致知2024年7月号の特集・テーマは「師資相承」です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 師資相承とは 師から弟子へと道を次代に伝えていくこと 特集には、人格を形成するには師匠運(どういう師匠に出会うか)が重要だと書かれています。 スポンサーリンク 感想 学生時代には学校の先生や塾の先生、社会人になってからは先輩や上司、育ってきた色々な場で師匠と呼べるような人に出会いました。 価値観は大きく影響を受け、それによって人格も形成されてきたと思います。 てことは僕の人格が悪いと言われたら、それはきっと師匠たち ...
ReadMore
致知
2025/4/4
【致知】2025年5月号「磨すれども磷がず」を読んだ感想
致知2025年5月号の特集テーマは「磨すれども磷(うすろ)がず」です。 それでは感想を書きます。 スポンサーリンク 磨すれども磷がず テーマとなっているこの言葉は、 本当に堅いものはいくら磨いても薄くはならない。 という意味だそうです。 人の信念や心を、石のような硬いものに例えたことわざです。 特集では、イエローハットの創始者・鍵山秀三郎氏が、創業時に強い信念を持って毎朝掃除をしていたというエピソードが取り上げられています。 リンク スポンサーリンク 鍵山氏の名言 いくつか紹介されている鍵山 ...
ReadMore
致知
2022/2/6
【致知】2022年3月号「渋沢栄一に学ぶ人間学」を読んだ感想
致知2022年3月号のテーマは「渋沢栄一に学ぶ人間学」です。 新一万円札に描かれることになっている渋沢栄一の功績、そしてその人間性からはたくさんの学ぶことがあるという内容です。 感想を書きます。 スポンサーリンク 3つの魔 渋沢栄一は3つの魔を持っていたとのことです。 吸収魔:よく勉強し吸収をやまない人 建白魔:よく立案、企画、建白する人 結合魔:人と人とを結びつけてやまない人 魔というのは、それだけ打ち込んだということだそうです。 スポンサーリンク 感想 3つの魔のうちの上2つは、いかにも仕事ができる人 ...
ReadMore